寺島:薬という科学的に証明されているものから、立証が難しい霊気を採用するということに何か根拠のようなものはあったのですか。
小柳:例えば頭が痛いとき、頭痛薬を飲むと思います。頭痛薬を飲んで頭の痛みが治まると、人は治ったと思ってしまいます。ですがそれは根本的には治っていません。
治療には、根治治療と対症療法というものがあります。
原因を治癒させる薬もあるのでしょうが、多くは対症療法といって、頭が痛ければその痛みの原因物質をブロックしたり除去したりするような作用で痛みが消えています。
痛みが消えている間に自然治癒を待っているような形です。
薬をはじめとした医療を否定している訳ではありません。頭痛によって日常生活に支障をきたし、それを本当に必要としている患者さんもいます。
しかし根本的に治すためには体質を改善したり、自然治癒力を上げたりということが必要になってきます。
そして霊気や気功というエネルギー療法は、それができます。
寺島:一般的にはスピリチュアル言われるエネルギーにどうやって気づきましたか?
小柳:わたしはこれまでのべ4万人近くの相談を受けたり施術したりしています。
その中で、わたしがエネルギー療法の可能性を実感した症例があります。
もうずいぶん前のことですが、一人の女性が「なんとか助けてください」と相談に来られました。
聞くところによると、旦那様が出張先で風邪をこじらせ、脳膜炎になってしまったとのことでした。
詳しく聞くと、旦那様は入院し、治療をしているがどんな薬も効かず、熱が下がらずに食欲も戻らないという状態が1ヶ月も続いて、とうとう「今日が山です」と言われてしまったというのです。
そこでわたしは気学でいう「お砂取」という大地のエネルギーをとってくる方法をお教えしました。「お砂取」とは大地のエネルギーがある砂をとってきて、それを体に取り入れるというものです。
その旦那様は肺炎にもなっていたということだったので、頭の下と肺の下にあたる背中の下に、消毒してビニール袋に入れた砂を置くようにお伝えしました。
奥様は早速持ち帰って、その朝方に砂を置いてくださったそうです。
するとその夕方、奥様がちょっと用事をすませて帰ってくると、「今日が山です」と言われていたその旦那様が、起きて食堂でうどんを食べていたというのです。
奥様は本当に驚いていらっしゃいました。
その後、肺はまだ肺炎の状態のままなんですと相談を受けたのですが、砂のことを聞くと、背中には置いてなかったらしいのです。
とにかく頭を治さないと、と思って頭の下に置いたらしく、背中には置いてなかったと。
そこで背中にも置いてもらうと、しばらくして肺も治ったと報告してくださいました。
この出来事があって、大地のエネルギーを持った砂によって、薬が効果を表すほどの生命力が得られたと仮定しました。
いくら優れた薬があったとしても、それを受け取る患者さんの生命力というか体力がないと、その薬の効果は発揮されないのだと実感したのです。
しかしこれはエネルギーのある砂だけで治ったということではありません。
大地の力から得た生命力と医学の力がマッチングして、一命を取り留めたということだと思います。
寺島:ということは、医学と気の世界の両方をうまく取り入れていく必要があるという考えですか?
小柳:そうです。
医学の研究が進んで、いままで治らなかった病気が治るようになってきました。
この世には不必要なものはないとよく言われますが、まさに西洋医学をはじめとした医学は必要があって存在していると思います。